丼's tech blog

2012/11/28~2023/12/21 間で運営していた「例のブログ」の後釜です。記事を抜粋してコッチに移植します。

高田ら(2014)「問題解決――あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術」を読んだメモ

↓これ。技術書か?と聞かれると技術書ではない。どっちかというとビジネス書よりの本です。

どんな本か。

 コンサル屋さん直伝の問題解決の本。問題解決の考え方・エッセンスといった概念的なことから,進め方・思考ツール,フレームワークの使い方といった実践的なことまでカバーしています。特に,本書では問題解決の流れが手順化されて解説されており,このプロセスに従うことで誰がやっても一定の結果が出そうだな。 と感じました。

どこがどう面白かったか

問題解決の架空のストーリー「上賀茂製作所」がシンプルに面白い。

いきなり問題解決とは関係ない話をします。

 本書は全部で7章ありますが,それぞれの章の冒頭で架空の電機メーカー「上賀茂製作所」の問題解決のお話が展開されます。上賀茂製作所の社内コンサルである主人公「戸崎」が,赤字を出している部門「メデイア事業部」の問題解決に挑むというストーリーで,章ごとに「上賀茂製作所のストーリーパート」と「問題解決の手法解説パート」に分かれています。
(こんなかんじ。↓ )

  • 第一章 : 問題解決の手順
    1. 戸崎が,社長から「メデイア事業部の赤字の問題解決してこい」と言われる導入ストーリー
    2. 問題解決の手順・全体観についての解説パート

  • 第二章 : 問題を特定する
    1. 戸崎が中心となって,メデイア事業部の赤字の問題がどこにあるのか特定するお話
    2. 問題特定の手順・手法についての解説パート

  • 第三章 : 原因を追求する
    1. 前章で特定した箇所について,掘り下げて原因追及するお話
    2. 原因追及の手順・手法についての解説パート

 そしてまずシンプルにこのストーリーが面白いです。 要約すると「主人公が適切な問題解決手順に則り,最適な手法を巧みに駆使し,メディア事業部を再興に導く」という,ある種プロジェクトXのような話で「男たちは,泥臭く暑苦しい努力の結果,遂に問題を解決するに至ったのだった」みたいなアツい挑戦ストーリーです。

 余談ですが話中で HD-DVDBlu-ray 論争が展開されててちょっと時代と懐かしさを感じました。そういや有ったなぁ,そんなもん。

問題解決は「手順」と「手法(その時その時で使うツール・フレームワーク)」が大事らしい。

 本題の問題解決の話をします。

 本書を読んで,「問題解決は『手順』と『手法(その時その時で使うツール・フレームワーク)』が大事なんだな」と感じました。

問題解決の「手順」

 まず「手順」について。本書では,問題解決の正しい手順について下記のように述べています*1

(中略) 問題解決の手順とは,
  (1) Where … 問題がどこにあるのか
  (2) Why………その問題の原因はなにか
  (3) How ……… ではどうすればよいか
の3ステップで考えるということである。

 また,逆にやってはいけない手順として「How思考」を挙げていました*2

 深く考えずに目先の対策に飛びついてしまう思考特性のことを,私達は「HOW思考」と読んでいる。文字通り,HOW(どうすれば?)から 先に考えてしまうことを指す。「HOW思考」に陥ると過去からの第性や思いつきで,あれこれ対策を連打してしまうことになる。

…なんとも耳の痛い話です。自分がこれまでやったヤラカシを振り返ってみると,「確かにあのときのアレはHow思考だったな」と思い当たる節だらけです。
 そして本書では序盤に「『Where -> Why -> How』の流れが大事だよ」と説いたうえで,次章以降は最後まで一貫して*3「Where」「Why」「How」の各工程で具体的に何をすればいいかが解説されており,非常に頭にスッと入ってきました。

問題解決の「その時その時で使うフレームワーク・切り口」

 また,Where・Why・Howの各プロセスで,それぞれどこに問題があるのか,その問題の原因はなにか,どうすればよいかを考える必要がありますが,そのお助けツールとしてのフレームワーク・切り口とその使い方が詳しく解説されていました。

 特に,
* どの段階で,どのフレームワーク・切り口を使うのが良いのか? と
* 実際にどうやって使うか?の例
 が載っていたのが,非常にわかりやすかったです。例によって上賀茂製作所のストーリー中で,フレームワークを使った分析を行っており,成る程こうやるのか。と感嘆しました。

本書で紹介されていたフレームワークを一部紹介すると

Where : どこに問題があるのか を特定するために
  • 4W (When, Where, Who, What)
  • ビジネス上の問題解決5つのテーマ(①売上,②コスト,③技術・性能,④製造・購買,⑤業務)
  • 4M (Man, Material, machine, Method)
  • ロジックツリー
  • ★問題所在マトリクス(どこどこ分析)
Why : その問題はなにか を特定するために
  • ★因果の構造図(なぜなぜ分析)
  • 対立概念で分ける
  • 数式や概念で因数分解する LISS(Linear Independenxe and Spanning Sets)
  • プロセスで分解する
  • 既存のフレームワークを使う
    • 4P(Product, Price, Place, Promotion)
    • ヒト・モノ・カネ
    • QCD (Cost, Quality , Delivery) ・

      …その他多数……

★ : 特に重点的に解説されてたフレームワーク

 上記はほんの一部です。特にWhere,Whyの特定するプロセスでは,その問題の原因だけ(●●) を適切に浮かび上がらせる「切り口」が非常に重要です。しかし一方で「フレームワーク多すぎで,何処で何を使えばいいかわからん!!!」となってしまいがちなのも実情。
 だからこそ,しっかり解説されてるのが良かったです。

「チームでの」問題解決を意識しており,かなり実用的だなと感じた。

 「ビジネスパーソン必須の仕事術」の名の通り仕事上での問題解決を想定しており,チームで問題解決活動をする際のエッセンスについても書かれていたのが印象的でした。

 例えばデカい問題Aが有ったとします。
 コレの原因は,原因①(主因)と原因②原因③…から成っているとします。

 チームで問題解決を行う際に発生しがちなトラブルとして,問題解決がある程度進んだところで,偉い人の後出しジャンケンで「なんで今,原因①の対策やってるんだ,原因②のほうが深刻※だからコッチを先に対策打たないと!!!!!!!!!!!!」と,今までの取り組みをひっくり返えされ振り出しに戻るケースがありますが,こうならない為の要点についても述べられていました。

※「原因②のほうが深刻」というのは偉い人の思い込みで,実際は原因①が主因

そもそも後出しジャンケンされないための策として
  • メンバー全員で問題に対する共通認識を持つこと
  • 要所要所で偉い人の同意を取り付けること
それでも後出しジャンケンされたときに,これを跳ね返すための策として
  • 「イヤイヤ,問題の全体像はこんな感じで(図を示す),その中でも原因①が最も支配的です(バックデータ示す)。なのでまずこれを片付けるのが効果的なんです。原因②はその次!!!!!!!!」と跳ね返すための,効果的なデータの集め方・示し方 にも触れられていました。

 読んでなぁるほどなぁ。と思。

「問題解決テクニックって一般化できるもんやな。」という気付きがあって面白かった。

 ぶっちゃけ「問題解決の本」と聞いたとき,抽象度が高く掴みどころのないお気持ち精神論のようなこと書いてるんだろうなと思っていました。

 一方,私の業務で実際に発生する問題といえば,例えば「作った測定機をいざ使ってみたら怪しい値が出てくる」「製品が納期に間に合わない」だとか,その時その時で問題も原因も解決策もケース・バイ・ケース。もちろん隣の部署の同期と私の抱える問題は全く違います。ましてや会社・業界・業種・ポジションが違えば,むしろ同じ問題を見つけるほうが難しいでしょう。
 幼稚園教諭の旧友がオムロンの測定器に悩ますこともなければ,逆に僕が預かった子どもたちの安全に神経を尖らせる機会なんてそうそう無いわけです*4

 そんな中「世の中の全ての問題を解決する銀の弾丸みてぇな『問題解決』手法,ホンマにあるんかね?????」と懐疑的でした。

 結論から言うと,ありました。それが先に述べた「手順」と「手法(その時その時で使うツール・フレームワーク)」なわけですが,疑ってた手前「はえ~~あるもんなんだな。銀の弾丸」と感心のような感想を抱きました。

おわりに

この本は

  • シンプルにお話が面白いですよ
  • 問題解決は「手順」と「手法(その時時で使うツール・フレームワーク)」が大事らしいですよ。
    • もちろんこの手順について解説されていますよ。
    • 同様に手法(その時時で使うツール・フレームワーク)についても解説されていますよ。
  • また「チームでの」問題解決を意識したテクニックについても解説されていますよ。
  • 問題解決って一般化出来るんですね,おもしろ。

でした。

…ちょっと長く書きすぎたな。このぐらいにします。
というわけで問題解決の本でした。

*1:問題解決――あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術 – 英治出版, P30

*2:問題解決――あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術 – 英治出版, P36

*3:一部例外(問題提起型のWhat)があるけど,それは置いといて

*4:安全工学という側面で見れば有るかもしれんが…

中尾政之(2005),「失敗百選」 を読んだメモ

www.morikita.co.jp

どんな本か

 タコマ橋・コメット号・リバティ船・チャレンジャー号・ピント(フォード)…工学部に居たなら一度は聞いたことはあるであろう歴史的事故を,工学的側面から読み解く本です。事故が起こるまでの経緯を時系列を追って説明し,おきた事故に対して「何故起きたのか」「何が起きたのか」「その時どんな現象が発生してたのか」についてこと細かく解説しています。
 また,この歴史的事故から学び,似たような状況で自分が同じ事故を起こさないための練習「思考の昇降運動」についても述べられています(正直これがこの本の真髄かと)。

公園で読んでたらお散歩中のミニチュアシュナウザー君が絡んできたので,「ハイアットリージェンシー空中通路落下事故」の項を朗読してあげました。飼い主さん苦笑い。すまんな。

なぜ買ったか

 一言でいうとジャケ買い。本屋で一冊ふらっと手に取ってパラパラ読んだのですが,「そういや以前読んだ『創造設計の技法 東大創造設計演習に学ぶ設計の奥義*1』も中尾先生だったな。あれ面白かったしな,これも買っちゃおw」のノリで買いました。

誰にどうオススメなのか

ウンチク話・雑学が好きなオタクにオススメ

 線路見かけたらリットン調査団するタイプのオタクは間違いなく好きでしょこういうの。

命に直結するものづくりをしている技術者にオススメ

 (極論をいうと「命に直結しないものづくりなんて無い」になるのですが一旦それは置いといて…)本書で扱っている事故の多くは,世にいう歴史的重大事故というもので多かれ少なかれ人の命が失われています。
 例えば乗り物(自動車・鉄道・航空機・船舶・はては宇宙)に携わる技術者,橋や道路・電力といったインフラの技術者,危険な化学物質を扱うプラントエンジニア…などなど,一つのミスが多くの人命に直結するものづくりをしている技術者諸兄姉は,一読の価値ありかと思います。それで未来の失敗を回避できるのであれば万々歳と言えるでしょう。  

社内失敗データベースを作れと言われてしまった人にオススメ

 これは「将来俺が社内のヤラカシデータベース作れと言われたら,この本読み返そw」というメモみたいなもんですが…本書では冒頭の50ページ「第1部『失敗百選』とは何か」にて,個々の失敗事例を集めてデータベースを作る際の勘所・ナレッジマネジメントの極意について書かれていました。
 正直,本書に占めるこの冒頭50ページの割合は全体の 1/7 にも満たないのですが,個人的にはここがこの本で一番大事なとこじゃないかなと思っています。

どこがどう面白かったか

まずシンプルに「工学ウンチク話集」として面白い。

 この本は有名な工学的事故を

  1. 事故に至るまでの背景・流れを時系列で紹介し
  2. 工学的視点で「その時どんな現象が起きてたのか」を解説していますが

 1件1件の事故事例に対して絶妙にポイントを抑えてわかりやすく解説されていて,それでいて事故1件あたり1〜2ページの量にに要約されいてサクッと読めます。そしてこれが100件近くある。
  要するに,明日から自慢したくなる技術的おもしろ小話が100件以上あるということですが,これがシンプルに面白い。こういう読み物好きな人にはおすすめの一冊です。

自分も知ってる「つもり」だったな~,と。

 私はそれなりに機械オタクでこの手のウンチク話も大好きなので,知ってる話もいくつかありましたが…実はそのほとんどが「表面的な浅い知識しか持ってなかったんだな」と思い知りました。

  • 「リバティ船 = 溶接技術の向上につながる事故」という認識はあったが…
  • 「コメット号といえば疲労破壊」というのも知っていたが…
    • この事故の原因の一つに「2種類の試験を同時並行で進めたことにより,試験①で生じた疲労破壊のクラックが,試験②で押しつぶされてしまい,ウッカリ見かけの耐久性が上がってしまっていた」というのがあったのは知らなかった。
    • ということは疲労を想定した繰返し荷重の試験はちゃんとやってるんだよな。試験を混ぜちゃったのが不味かっただけで。
    • 参考 : 失敗事例 > ジェット旅客機コメットの空中分解
       
  • かの有名なチャレンジャー号墜落事故も,打ち上げ強行した経営陣が100%悪者と信じて今日まで疑わなかったが…
    • 「実は案外そうとも言い切れない」ということをこの本で知った。曰く,技術陣のボイジョリー氏も経営陣を説得できるだけの十分なデータを持ってなかったんだとか。まじか。これを知るまで,「会社の利益優先で『自分の聞きたくないこと(ボイジョリー氏の忠告)』には耳も貸さず打ち上げを強行した巨悪の経営陣😠」vs「正しい倫理観を持つ正義のボイジョリー氏🥺」ぐらいに思ってたが。
    • …これ経営陣が「君も経営者の帽子を~」みたいな示唆に富んだ遠回しな説教しなければ,ここまで悪者にされることもなかったのでは…?
    • 参考 : 失敗事例 > スペースシャトル・チャレンジャー号の爆発

 むしろ逆に「俺これ知ってるぜ~~この話~~🤘😎」と自信を持って言えたのは,タコマ橋とフォード・ピントぐらいでした。みんな大好きだもんね,タコマ橋崩落の映像。
youtu.be

失敗事例に学び,自分の業務・生活に活かすためにはどうすればよいか?について述べられており,面白かった。

 たぶんこの本で一番大事なのはここだと思っています。失敗事例をただ読でニチャニチャするだけでは,ただのウンチク大好きオタクどまりで,厄介なオタクで終わらせないためには失敗事例を自分の日々の生活・業務に活かす必要があります。

 この他人の失敗を自分の学びにする取り組みを筆者は「失敗予防*2と表現しており,またこの未来の失敗を予防する具体的手法として「思考の昇降運動*3という手法を述べていました。
 つまり複数の失敗事例から共通点・類似するエッセンスを導き出して抽象化する,これを「上位概念に登る*4」とよび,逆に抽象化された概念から例を挙げること下ると捉え,この思考の昇降運動ができるようになると,失敗事例を知り自分の未来の失敗を回避できる。とのことです。

抽象と具体,クラスとインスタンス,アナロジー,なぞかけ

 余談ですが,これ読んで「UMLのクラス図作ってるとき・モデリングしてるときってこんな感じだよな~~」と感じました。複数の個別事例(インスタンス)を観察して,このインスタンスを束ねるのに丁度よい大きさ・切り口・スコープのクラスはなにか? を考える行為はまさにこの思考の昇降運動に通ずるものがありますね。

 それはそうとこの手の抽象化スキルって表立って重要視はされないけど,でも実は大切なスキルで,それでいて明日から出来るようになるもんでもなく日々練習したり磨かないと伸びないんだろうな。てぇへんだぁな。(感想)

社会人2年目までで読んだ本の忘備録 その1

 「おめー 『社会人パワーで3Dプリンタかっちったw』なんて言う割にはフィラメント湿気らせてだめにするし,工作もせずブログも書かず,何やってんだァ?」って声がどこからともなく聞こえてきそうですが, ここ1年ぐらいは ずーーーーーーーーっと本読んでます。技術書とか専門書とか,技術書寄りの読み物とか。

 最近は,訳あってものづくりに楽しみを見いだせなくなって*1自分の中の芯みたいなやつがグニャングニャンになりつつあるので,「一応それっぽいことしてますアッピル」の一環として自分に言い聞かせる体で読書忘備録をつらつらと書きます。

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about me

 新卒3年目が始まってしまったメーカーの新米エンジニア。入社して製品設計を1.5年 -> 異動で今は生産技術やってます。
 というわけで以下は,すべて「メーカーで製品設計・生産技術やってる新米エンジニア」目線で書いたものです。無学浅識 故に素っ頓狂な事かいてるかもしれませんがご容赦を。

 

生産技術・IE関連

ザ・ゴール(エリヤフ・ゴールドラット

 言わずとしれた,生産技術・IEのバイブル*2

 システムの全体最適化(例:工場の収益改善)ための仕組み「TOC(制約理論)」を,テーマに扱ったビジネス小説です。
 TOC提唱者のエリヤフ・ゴールドラット博士が,「TOCをベースした工場管理ソフト」の販促のために書いた一冊で,小説の中では,赤字すぎて工場閉鎖を言い渡された崖っぷち工場長の主人公アレックスが,収益改善のためにあれこれ奮闘していく中で工場の生産性向上の鍵となる要素(≒TOC)を見つけ・活用し・体得していきます。最終的に TOC に基づく工場経営最適化のおかげで納期が短くなり・工場内の在庫・仕掛品は減り・生産能力が上がって爆黒字のボロ儲け(スループット最大化&在庫・仕掛品・業務費用最小化)アレックスくんも昇進,万々歳! TOCやっぱすげ~わ~~ という感じのサクセスストーリーです。
 ストーリーも凝られており,500ページ近く(≒1ポッター) ありましたが読むのは意外と苦ではありませんでした。

 小説と言えどかなり現場に近い(=現実でもありそうな)話の展開になっており,明日からでも実践できそうな話だなぁと思い…
…思ったんですが,内容が「工場全体の最適化」というクソデカスケールな話なので,,,課長クラスの偉い人になって人や現場を動かせるようになってからじゃないと真価を発揮してくれなさそうです。(そりゃそうだ。) まぁ「その時」が来るまで,Factorio で最適化の練習でもして温めときましょうw

 一方で,TOCという1つの学問分野を,1冊のストーリーものの小説だけで学ぶ」のはなかなかしんどいものがあります。
 例えば「アポロ11号の制御エンジニアのノンフィクション本だけで 現代制御とカルマンフィルタを習得できるか?」という事を考えると,想像に難くないかと。
 ザ・ゴールとはと別に,要点を掴んだ教科書的な1冊が欲しくなります。

 

図解ポケット ゴールドラットの制約理論がよくわかる本(中野 明)

 なので買いました。特に5段階集中プロセスについて,概念と実践のしかた・練習問題など詳しく書かれておりモロ実践よりな内容だったのが良かったです。  

5段階集中プロセスとは?

 TOC自体は「システムはボトルネックの性能(制約条件)によって支配されますよ」といういわば状態を表すものであって*3,それを踏まえた上で「じゃぁどうすれば良いか?」という解法の一つに「5段階集中プロセス」という改善手法があります。(ザ・ゴール作中でも出てきます)

 

 また,ザ・ゴールの著者のゴールドラット爺さんは,ザ・ゴール以外にも,「ザ・ゴール2」「チェンジ・ザ・ルール」「クリティカルチェイン」…その他もろもろ*4(いずれも,TOCを題材に扱ったビジネス小説)を出版し,それぞれで TOCをベースにした枝葉的な理論?(例えば,TOCをプロジェクトマネジメントに使うときのテクや, 制約条件を見つけ出すためのテクニック等)について説かれていますが,「図解ポケット ゴールドラットの制約理論がよくわかる本」ではそれらについても図解されていました。

 おそらく今後,復習のために見返すのはザ・ゴールではなくコッチになりそうです。

 

治具・生産設備関連

新・実践自動化機構図解集―ものづくりの要素と機械システム(熊谷 英樹)

 工場でガッチャンガッチャン動いている生産設備についての本です。

  1. エアシリンダの種類やセンサの特徴,カムに代表される機構など,設備の構成要素(機械要素)の解説からはじまり

  2. これらの要素を組み合わせた設備例の紹介と,使用する機構と特性の関係について(どんな機構を使うとどんな位置決め精度や速度特性が得られるか?)書かれており

  3. また設備を構築しシステムとして運用する際に考慮すべきこと(例 : バッファの役割, 作業工程を何個に分割しておこなうのか?, 品種切り替えにはどのように対応するのか?)等についても詳しく書かれていました。

 (私もそうですが)かけだし生産技術エンジニア・設備設計エンジニアの方は一読の価値ありかと思います。 あとこの著者,他にもいろんな生産設備関係の本を出してるみたいですね。今度読も。
Amazon.co.jp: 熊谷 英樹:作品一覧、著者略歴

 

はじめての治具設計(西村仁)

 「位置決め」が何故それで位置決めできるのか?といった理論的な話や,筆者の経験に基づくお話,更には治具設計にはこんな便利グッズや汎用部品があるんですよといった所まで広く浅く満遍なく網羅している本でした。
 内容も小難しいことは多くなく,私のような現場も見たことない初学者が初めて読むにはうってつけだったと実感しています。

 特に,位置決めや固定につかう機構について,それぞれ「こういう位置決め/固定ときはこんな部品(ミスミとかで買えそうな市販品)を使うと良いですよ」というのが書かれており,治具で出番の多そうな直線運動の案内(例 : リニアガイドとかレールとか)につていも解説がされていました。

 

からくり改善事例集―金を掛けずに知恵を出す(日本プラントメンテナンス協会)

 名前に違わず,治具やライン改善に関する事例集で,実際の改善例から要素技術(?)を解説しておりアイデアブックとして面白かったです。行き詰まったときにふと読み返すと思いがけないヒントをくれそうな雰囲気がありました。
 これ上記がパート1で,全部でパート4まであるみたいです。

 ところで,ライン構築や生産技術に関する事ってネットで調べてもびっくりすぐらい出てきませんよね。例えば [ OpenCV 環境構築] とか, [Node.js サーバー 建て方] なんかググれば Qitta や テック○カデミーの記事がじゃぶじゃぶ出てきて寧ろ正しい情報を選び抜くのに苦労するもんですが,こと生産技術やライン構築の流儀に関することは調べてもほとんど表に出てこないのです。まぁ社外秘とかがガッツリ絡んでくるんでしょうね。 
 そういう意味でも,こういう事例集はありがたいです。



機械設計・設計工学の本

... 。

 

…あかんコレ全ーーーーーーーーーーーー部真面目に書きよったら一生おわらんわ。あと12冊有るで。というわけで,今回は「その1」ということにして切り上げさせてもらいます。






日記  最近…いえ。ここ1,2年ぐらいでしょうか。 ものづくりに対する熱意というのがパタリと消えてしまいました。自分でもびっくりしています。 本当に。「作りたいけど時間がない」とか「社員寮なので場所がない」でもなく,シンプルに「作りたいと思えるものがない」のです。
 学生の頃はクソほどくだらん工作を思いついては,講義中に妄想しスケッチを書いてたのに。
 
 そのくだらん具合 というのは,考えてみるとまぁまぁ酷いものでした。
 Arduinoタミヤの工作キットで作ったラジコン戦車は夏休みの工作にも及ばないほどあまりにもお粗末ですし,アレほど「分かってないやつがやりがちな工作」と言われているにもかかわらず””1N4007で””””CW回路作ってはバチバチ言わして低レベルな悦に浸ったり,友人に頼み込んでブラに加速度センサつけて揺らさせてもらったり,,,
 
 長いこと工作オタクの看板を掲げてる割には,他人様に自身を持って紹介できる自分の作品なんてウンコジャマーぐらいなのです。いえ,ウンコジャマーですらアイデア一発勝負の工作であり,技術的には何も難しいことをやってません。「赤外線リモコン自作したぐらいで何イキってんだw」なんて言われてしまえばぐうの音もチョキもパーも出てこんのですよ。

と。ここまでキーボードをしばき続けてると,自分が何に怯えてるのかがなんとなく見えてきました。
 (以下,極めて傲慢な物言いになってしまいますが)私とて,高校の科学部だった頃は研究発表のポスターセッションで入賞し,ロボコンでは地区大会優勝し,工学部も上位10%の成績で卒業し,大学院を修了し,それなりに技術にステータスを振ってきたつもりの身です。今年で27歳になります。自称「技術にステ振りした」27歳が,子供だましの延長のような中途半端な工作をして承認欲求を満たそうとしているのが何とも恥ずかしい。もっと工学的に高度でニッチでマニアックで難しいことをしたい。でもスキルが無いのでできない。というところにあります。(※ 決して「ゆるいネタ工作」そのものや「未完成が許される雰囲気」を否定しているわけではありません。むしろ皆さんの作品は,アイデア一発勝負のネタ工作であろうと,中途半端な未完成系であろうと大好きです。これはマジ。)

 私が学生の頃に思い描いてた「社会人になってもネタ工作するスゲー人」っていうのは,STM32やFPGAを使って超ニッチでマニアックで高度なLチカをする人だったり,あるいはガレージにある旋盤と卓上フライスをフル稼働させエグゾーストキャノンをつくる人であり,またはバチバチに制御対象をモデル化し制御系を設計し(ここ大事)どんなに外乱を与えても絶対に転ぶことのない倒立振子を作ってしまう人のことなんです。
 
 でも,そのスキルが私にはない。結果「何も作りたいものがない(=自分の作れるものの射程圏内には,『対象年齢 : 技術にステ振りした27歳』レベルの工作がない」という状況に陥ってしまったみたいです。
いわゆる持てるスキルは四流五流なのに,なまじ物を見る目だけは肥え散らかしてしまったというところでしょうか。だとしたら本当に嫌な年のとり方をしちまったもんだ。

      だから何だって言われると,オチもなにもありません。年度初めからアレな話ですみません。 おわり。

*1:ここを語りだすとありえん長話になってしまうのでカット

*2:…ということを知らずに買って会社の机に置いといたら,生技のカチョーと品証の責任者の方から「いいの読んでんジャ~ン 」頂きました。これだけで既に 1760円 ペイできた言えるでしょう。

*3:ここかなり自信がない解釈

*4:私は ザ・ゴール しか読んだことはありません

【ご成約】 𝑁𝐼𝑆𝑆𝐴𝑁 𝑴𝑨𝑹𝑪𝑯 (K11) をお迎えしました🚗💨

JDMMMMMM💪
🌟𝑴𝑨𝑹𝑪𝑯🌟 JDMMMMM💪💪💪

 

JDM Wheels👉 JDM Mirrors👉 JDM Seats👉 even smells like JDM👉
YEAHHHHH🏃💨 JDMMMMMMMM💪💪💪




 オタクくんが最近買った自慢の愛車を紹介をします。

 

I♡MARCH

 私事ですが,オトコてぽどん。ついに車を買いました。
 K11マーチ。御年20歳の高齢車ですが実にいい車です。

 古さを感じさせない現代的なデザイン。20年経っても軽やかに回る CG10DE エンジン。必要十分の室内空間と小回りの効くコンパクトなパッケージングの両立。人権のない後部座席。摩耗して閉まらないドア。開かないトランク。

 どれを取っても最高の一台です。

 

写真とか動画とか

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タウン・スモール
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御池からパシャリ📷 後ろに見えるのは霧島連山の中の第二峰に数えられる高千穂峰です。
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コッチは桜島をバックに📷 
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知らん人の12マーチの横に止めて先輩ヅラかましてます。
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スリスリしたくなるお尻まわり。
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フィルムで撮ると一気に「平成一桁台」が出ますね。 きっと今日の朝刊の日付は199x年…
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 バトル卍 が始まります(はじまりません✋)
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 前期型と後期型で,顔(グリル)が若干ちがうんすよね。前期型は鼻の穴(ラジエータ直前の空気取入口)がもっとカクカクしてます。
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内装こんな感じ。 エアコンのツマミまわりの安っぽさがいい
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 前期型だと窓が人力パワーウインドウ💪(手回しハンドル)です。それもまたいとおかし(写真は後期型なので電動。ウインドウモーターが今にも死にそうな音してます)

 

スペック

 忘備録がてら仕様を。 (といっても どノーマルなのでカタログの写経になりますが)

詳細 :
www.goo-net.com




3ドア&5MT

これをホット・ハッチと言えずしてなんと言えよう。
正真正銘の純国産ホットハッチ――それすなわち””JDM””――

誰がなんと言おうと僕はJDMを手に入れたのです。
ハンドル握れば気分は秋名山。5速に入れれば首都高湾岸線。イヤー楽しい車ですね。

 

 3万キロでかった僕のマーチ。向こう10年は大切に乗りますヨ

 というわけで愛車紹介のコーナーでした。